害虫駆除剤としての珪藻土
鶏を吸血する寄生虫としてワクモがトリサシダニとともに養鶏産業界に多大な被害を与えています。(ワクモの吸血は鶏の貧血・死亡、免疫低下による多疾病の発症などを引き起こします。)ワクモは環境変化に強いため、近年は日本全国に生息地域を拡大しています。
ワクモの対策として珪藻土製品を使用すると、固い粒子の殻が物理的作用でワクモの体節、関節を傷つけ、多孔質素材ゆえの吸水量が多い特徴によりワクモ体内の水分を奪い、脱水状態にして死に至らしめます。
ヨーロッパでは10年ほど前からシリカや珪藻土製品などの環境制御資材の鶏舎内散布によるワクモの駆除が行われています。近年、国内でもポジティブリスト制度導入以来、殺虫剤を使用しない駆除法を望む傾向が強まり、環境制御資材の使用が2006年以降増加傾向にあります。
※ポジティブリスト制度とは
2003年の食品衛生改正により、現在設定されている農薬、飼料添加物及び動物用医薬品の残留基準を見直し、一定量以上の農薬などが含まれる食品の流通を原則禁止にする制度。